まず社会人から教員になるには教員免許を取得しなければなりません。
教員免許を取得する場合、社会人を続けながら取得するか、
社会人を辞めて取得するかで違いが出ます。
●社会人を続けながら取得する場合
社会人では、
教員免許は通信制の大学や夜間大学で講義を履修し、
免許を取得するのが一般的です。
そのため社会人でありつつ教員免許のために編入して
大学の講義を受けることになります。
●社会人を辞めて取得する場合
社会社を辞めて、科目履修生として大学に在籍し、
教員免許に必要な講義を履修する方法もあります。
これは普通の学生とも同じように講義に出られるため、
夜間や通信大学で講義を取るより早く終わる場合があります。
教員免許を取得するためには、「専門科目」、
「一般科目」、「教職・教養科目」を履修しなければなりません。
専門科目や一般科目は、
各大学の卒業必修科目に割り当てられてるものもあるため、
大学によっては卒業時点で既にある程度教員免許取得に
必要な単位が履修できている場合があります。
教職科目に関しては、卒業単位にカウントされない場合もあるため、
全くのゼロから履修しなければならないといったことがあるかもしれません。
卒業した大学に問い合わせて、
教員免許取得に必要な講義をあなたがいくつ履修したか確認すると、
期間が短くて済むかもしれません。
では、具体的にどれくらいの期間や費用がかかって、
給料などにはどのように影響してくるのかを見てみましょう。
●社会人で教員免許をとるための最短期間は?
取得にかかる期間は免許の種類にもよりますが、
最短ではおよそ2年で教員免許を取得することができます。
教員免許取得にかかる期間は大卒か高卒か、
大卒ならどのような講義を履修していたかで変わってきます。
先述したように、既に履修している科目がある場合は、
再度その科目を履修する必要がないため、時間が短縮されます。
高卒の場合、専門科目、一般科目、教職科目の
すべてを履修しなければならないため、どれほど頑張っても2年はかかります。
●社会人では教員免許の単位はどうすればいい?
教員免許にはいくつか種類があり、就学年数によって種類は変わります。
二種(2年)、一種(4年)、専修(6年)の3つがあり、
給料も二種から専修になるにつれて高くなります。
しかし、その分取得に必要な費用もかかるようになります。
社会人で教員免許にかかる費用は、
通信大学で年間およそ17万~20万円かかります。
これはスクーリングなどの費用は含まれていません。
スクーリングは1講義3千円以上(大学による)、
それにプラスで交通費。場合によっては宿泊費も発生しますので、
実際にはもっとかかると考えられます。
さらにスクーリングでは実際に学校に赴き授業を受けるため、
仕事も休む必要があるかもしれません。
これらのことから通信大学でも教員免許をとるのは大変だと言えます。
●社会人で教育免許のために教育実習っていけるの?
教育実習は、最短でも2週間必要です。
小学校の免許になると5週間もの期間が必要になります。
なので仕事も半月から1ヶ月以上の休暇が必要になります。
そのため、教育実習のために
社会人が退職を余儀なくされることも少なくありません。
だからと言って、社会人から教員に転職が簡単にできるかと言うと、
そういう訳でもありません。
教員採用試験は、都道府県によって要項が異なります。
中には社会人での経験を考慮して、
一部試験を免除する地域もありますが、
全てがすべてではありませんし、少なからず必ず試験は発生します。
一次試験免除や一次試験の一部免除などが適応されるだけで、
二次試験などからは普通に受験することになります。
そのため、教員になるための社会人枠であっても
倍率は普通に受験する人とさほど変化はありません。
普通に新卒で受験する人と、
社会人経験がある人と違いがあるとすれば給料面です。
社会人から教員になると給料に、
正社員として働いた年数に応じてある程度加算されます。
社会人から転職した場合、新卒とは違うためそれらを考慮しての措置です。
●まとめ
社会人から教員免許を取得して、
教員に転職するのは容易ではないでしょう。
仮に、教員免許は持っている人でも採用試験があります。
教員を目指す人でも塾に通い勉強してようやく通るのが採用試験ですので、
一部免除されるとはいってもその試験を社会人でパスするのは難しいと言えます。
さらには教員免許を持っていても、
取得から一定年数過ぎている場合は免許が失効しており、
更新講習を受けなければならないかもしれません。
その場合は講習費として3万円(+諸費)ほど必要になります。
社会人から教員になるには、時間とお金がかなり必要になります。
この記事が、それでも教員になりたいと思うあなたの一助になれば幸いです。