教員から転職して後悔しないために前もって知っておきたいこと

学問・講師

はっきり言って、そもそも教員から転職するのは難しいと言えます。
他の業種から教員へ転職された方は、大勢います。
一般企業への就職を経て、教育の現場というのはよく聞く話です。
しかし、その逆はまずありません。

その理由は次の3つ。
・転職はもったいない…福利厚生の充実
・辞めた後が大変…転職先選びが難しい
・教員への復帰…年齢制限がある

この記事ではこれらの理由について説明したいと思います。
そして、これらを見てもやはり転職・退職したいあなたに、
どんな理由で退職する人がおおいのか?

どの時期にどのように退職するのがいいか?をお伝えします。

●教員を辞めるのはもったいない!?

教員や公務員の魅力は、その安定さと福利厚生の充実です。
定年退職後の年金受給額もそうですが、
産休や育休、病気休暇などもしっかりと取得することができます。

一般企業では必ずついて回るリスク、「倒産」もありません。
リストラなどもありません。

問題行動を起こした場合は、懲戒処分がありますが、免職は稀です。

しかし、「絶対安定」と言われた公務員も今は昔。
公務員だからこその激務や人間関係で自ら辞めてしまう人も増えました。

公務員のメリットである、福利厚生の充実さを差し引いても辛いものがあります。
最近では、人間関係に悩んだ教員初任者が退職したり、
病気休暇の教員がそのまま退職したりすることも少なくありません。

教員の場合、その仕事の内容はほとんど人間相手になります。
研修、教材研究、学校行事、校務分掌、生徒の態度や進路指導、
保護者対応そして地域との関係づくりなど仕事はいつでも山積みで、対人です。

色々な問題を抱え、吐き出し方が解らない生徒。
ドラマにもなり一時話題になったモンスターペアレンツ。
古い考え方にとらわれ、新しい事を忌避する上司。
意見が対立し解り合えない同僚。
学校からの音がうるさいと苦情を入れる近隣住民。

今、社会問題にもなっている
セクハラやパワハラといったハラスメントは、
人間同士で起きます。

教員の世界は年功序列、体育会系です。
さらに現代社会より少し古い考え方をもった人も多いです。
そう言った空間ですから、
ハラスメントが多発するのは容易に想像できます。

しかし、教員にとっての職場環境である学校は、
各々で全く雰囲気が違います。

人間関係に悩んでも、長くて6~7年ほどで転勤します。
希望を出せば3~4年で転勤できるかもしれません。

自分が転勤しなくても、
ウマが合わない同僚が転勤していくかもしれません。

今は、体調を崩してまで仕事を我慢して頑張る
・・・という時代ではありません。

それでも、少し引いて客観的に考えて、
まだやれそう!と思えるなら
急いで転職することもないのかもしれません。

●教員、辞めたその後はどうする!?

教員からの転職が難しい、その最大の理由は教員という職種が、
他の業種と職務内容が多くの点で異なっているからです。

教員として習得した技術が、
他の職種では活かせないなんてことはよくあります。

むしろ習得した技術は、
ほとんど活かせないと言っていいでしょう。

時間を気にして話す速度を変える、
興味を持たせる話題を持っているなどは、
他の職種で活かせる数少ない技術でしょう。

しかし、教材研究で得た知識などはまず使う機会がありません。
名刺交換の方法を知らない教員もいます。

営業や事務、飲食などは教職とは大きく異なります。
そのため、他の業種に転職しても
そのノウハウを1から勉強しなければなりません。

それが難しい場合は、選べる業種がある程度限定されるでしょう。
塾や予備校の講師、家庭教師などなら
教師として得た知識や経験が活かせます。

しかし、それは教職とどれほどの違いがあるのか。
では、転職してみたものの
教員に復帰したいと思ったらどうすればいいのでしょうか?

●教員を退職してから復帰ってできる?

これもまた難しいでしょう。
教員採用試験の受験には年齢制限があり、
現在は45歳までになります。

正職員として復帰したいのであれば、
45歳未満で教員採用試験をパスする必要があります。

教員採用試験は簡単に解けるものでもなく、
塾で勉強する人もいるほどなので、
一度パスして退職して再度受験するのは
非常に強い意志が必要になります。

また現場に戻ってからも大変になります。
学習指導要領は、約10年周期で大きく改訂されます。

しかし、細かく毎年改定されるので、
辞める前と復帰後で教科書がガラリと変わってる可能性もあります。

指導する大筋は変わりませんが、
教える順番や教科内で受け持つ部分が変わるので、
順応するまでに時間がかかります。

以前教えていた内容が復帰後には教えなくなり、
教えていなかった内容を教えることもあります。

●教員を退職する理由で多いのは?

これまでの記事の内容でも転職・退職する人はたくさんいます。

その主だった理由は以下です。
・結婚
・心身の不調
・問題行動
(教員として不適切な行動があった場合ですので、ここでは省きます)

教員を退職して主婦になる方は多いです。
公務員の福利厚生の充実さは先に述べましたが、
一般企業と違い産休や育休の期間が厳しく決められています。

企業によってはある程度子どもが成長するまでと
産休・育休を取得させてもらえる場合もありますが、
公務員では出産予定日や
出産日から決まった日にちまでしか取得できません。

それ以外はすべて年休(有休)になります。
そのため、周りや生徒のことを気にして、
一旦退職する場合もあります。

心身の不調では、病気休暇を申請する場合がほとんどです。
しかし、教員の病気休暇にはデメリットもあります。

病気休暇中の給与も一定期間だけですが
8割支給されますが、期間を過ぎると無給になります。
また学期の途中で休暇申請や復帰をすると引継ぎが大変になります。

では教員の退職はどのようにすればいいのでしょうか?

教員の退職願の書き方は、普通の企業と同じです。
ネットを参考にして問題ありません。

一身上の都合と退職する日付を記入し、自身の氏名に捺印。
これを3通ほど用意しておきましょう。

自身の保管用、管理職に提出用、予備で3通です。
一部の管理職によっては、
受け取りはしたものの保留にして
あなたが考え直すよう促す場合もあります。

それが悪いわけではないですが、
本当にギリギリで差し迫っている場合は、
教育委員会に直接送付することになるでしょう。

そのために予備が必要になるかもしれません。

ただし、退職願に書く日付は辞令などの関係があるので、
可能であれば管理職と相談するのがいいでしょう。

教員の退職願の時期として適しているのは、
6月、11月、2月がいいでしょう。

6月は、1学期の終わりと同時に引継ぎを行い、
2学期から交代することが容易だからです。
11月と2月は、新学期に向けて引継ぎ交代が行いやすく、
管理職も次の人員を探しやすい時期になるからです。

●まとめ

教員の世界で、転職や復帰は難しいでしょう。
理由は公務員ならではのメリットとデメリットが関係しているからです。
教員は、仕事柄多くの人間と関わらなければいけません。

それは生徒や保護者だけではなく、地域の人や同僚、上司ともです。
一人の人間が、これら関わる人すべてと良好な関係が築けるわけではありません。
人間関係や体調に問題を抱え、病気休暇を取得することもあるでしょう。

その中で退職を余儀なくされることもあります。

しかし、それでも生徒に迷惑が掛からないように
時期など配慮できるのは素晴らしい事でしょう。

今回の記事が、転職を考えているあなたへの一助となれば幸いです。

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